軽微ですが一部に錆が発生し、点々と小さな膨れのあるホーローバスです。
錆が表に出る。膨れが発生する。のメカニズムは、塗膜下の隠れた錆が水分を
抱きこんでいて、錆が成長したり温熱によって抱き込んでいる水分が膨張したりで発生します。
逆に言えば錆を取り除き、発生源の金属面と水分を遮断すれば錆の発生は収まる事となります。
今回は簡易ですが、ある程度の長期封じ込めを想定した改修を行いました。
必要最低限の改修仕様です。ご了承願います。
最初に錆部、膨れ部の全てにカッターナイフを入れカッターナイフや皮スキの先、スポンジ研磨で丁寧に錆を除去しました。
錆除去後の状況です。
今回は錆が点錆でしたのでこの程度のハツリとしましたが、錆が大きく発生している場合は大きなハツリ→おおきなさび落としとなります。
次にとても重要な強制乾燥作業です。
塗膜の裏に隠れてる水分を乾燥させます。
表面温度が60℃位で10分間程度時間をかけてしっかり乾かします。
あまり熱くしすぎると塗膜が劣化しますので50〜60℃位で。
弊社が推奨しておりますエポキシパテ、ソーラー社のEPOX♯910ソフトです。
絶対これと言うことではありませんが、ポリエステルパテ(ポリパテ)はNGです。
下地付着性、上塗りの付着性共良くありません。
2剤型エポキシパテをご使用下さい。
速乾性ですから使用分を少量づつ混ぜ合わせながら使います。
エポキシパテはパテヘラで丁寧に伸ばし30分〜1時間くらい待って♯320スポンジ研磨で研磨して表面を整えました。
水分の遮断とハツリ箇所の段差調整が目的です。
美装に問題無い程度の厚膜が必要となります。
次にベースコートを刷毛塗りして前処理は完了です。
ベースコートは粗いエポキシパテの表面を整える、上塗り付着性を高める目的で使用します。
エポキシパテ→ベースコート→上塗りの工程で水と鋳物金属の縁を切ります。
次は後日ベースコートがしっかり硬化した後、表面研磨して上塗り作業で仕上げます。